↓事務職を目指したい方向けの記事はこちら。
まず、読み方ですが、CAD(キャド)と読みます。
それが何かと申しますと、昔は手書きで書いていたパソコンで製図を描けるツールの事です。
建築、機械、服飾……製図が必要な業界全てで必要なツールです。
必要な寸法をパソコンに入力すると正確に描画してくれるので、歳を取って手が震えるようになったとしても綺麗な製図をする事が可能。
手芸などのクラフト趣味がある方ならば、今まで手書きで書いていた自作の型紙をCADソフトを使えば綺麗に作ることが出来ます。
PDFファイルに書き出して、コンビニのプリントサービスを合わせて使えばA3サイズまで出力可能ですし、データさえあればいつでも量産可能。
少し話は逸れましたが、CADソフトを専門に扱う職の人を、CADオペレーターと呼びます。
何で事務職を目指すのにお勧めなの?
何故かと申しますと、「CADオペレーター」で求人を探しているのに、「事務兼CADオペレーター」にHITする確率が高かったからです……。
CADが出来る人のみという条件が付いていれば、事務職だけの求人よりは競争率が低くなります。
よって、年齢では太刀打ちできない人でも、事務職獲得への勝率は上がります。
ただ、PCでの製図作業が苦にならないのであれば……の話ですが。
普通の事務職だと、パソコン作業は数字と睨めっこする事が多いのに比べ、CAD兼用の事務職だとトレース作業の割合が多いと思います。
もしかしたら、地域差によるかもしれませんので、お住まいの地域のCADオペレーターの求人を確認することを強くお勧めします。
CADソフトの種類は色々ある
ただ、このCADというソフト、一口に言いましても色々ありまして。
まず大きく分けて、2種類。
二次元(2D)と三次元(3D)の2種類が存在します。
2DでしたらX軸とY軸の平面の描画ですから、比較的楽に覚える事が出来ます。
3DだとX軸とY軸に加えZ軸もある立体的な描画をするので、空間把握能力が極端に低い方ですと苦労するかもしれません。
また、3Dを扱うには、高性能なPCが必要となってきます。
「○万そこそこのPC持っているから大丈夫かな?」と、頭に過った方……素直に「やめとけ」というのが正直な感想です。
パソコンのスペックを値段だけで考える人の持っているものは、(個人的偏見かもしれませんが)99%の確率で家電量販店で購入された一般人向けのパソコンでしょう。
この家電量販店に並んでいるパソコンは、殆どがその時代に販売しているパソコンの並スペックより低めです。
(例外として、ゲーミングPCを購入しているならば、高スペックの可能性はあります)
そして、1番の問題点。
CADのソフトは高いです!
決して、無料ソフトがないわけではありません。
3Dなら個人使用に限り無料ソフトはいくつか存在しますが、いずれも企業で使われてない可能性が非常に高いです。
とはいえ、PCが元々得意な方ならば別のソフトにすんなり移行できるので、3D自体の操作を学ぶのであれば無料ソフトで覚えるのはアリだと思います。
(3Dの描き方を初めて知ると独特な部分があって、驚くと思います……と偉そうに言ってみますが、趣味の範囲で触る程度の経験しかありません)
お勧め二次元CADソフト
2DのCADでは無料で学ぶのであれば「JW-CAD」というソフト一択と思っていいです。
(ダウンロードページは、こちらから)
こちらは建築寄りな部分は多々あるものの、汎用性CADですので建築業界に限らず使っている企業はそこそこあります。
商用可能という点が非常に大きいせいです。
私が調べた限りでは2Dですと「AutoCAD」というソフトを扱っている求人の方が多いですが、個人(独学)で学ぶには少々厳しいです。
と、いうのは、1年間ライセンスが7万円を超えてますからね(2023年現在)。
30日間は体験版が無料ですが、こんな期間で覚えられるわけがありません。
まずはJW-CADで「図面を読み取る力」をつけて、「効率の良い手順で描く事」ができるようになるのを目標にします。
将来的にAutoCADが使いたくなったとしても、上記の「図面を読み取る力」と「効率の良い手順で描く事」が出来るのと出来ないのとでは大違いです。
これらが出来ている人であれば、単純に新しいソフトの操作を覚えるだけで済みます。
CAD系の職業訓練の様子
私は職業訓練で二次元CAD(JW-CAD使用)を学びましたが、当たり前ですが全員が初心者です。
線の引き方や、円の描き方等、簡単な部分から教えてもらいます。
初めて構うソフトで、全く同じ講師から、全く同じ時数を学んだ後、いよいよ製図の練習に入りました。
配られた図面をそのまま描くだけ(トレース作業)であっても、人によって大きな差がついているなぁと感じました。
ここは軸になるアタリを付けて、
そこから円弧を大きめに描いて、
そして角度をつけて直線を引いて、
はみ出した部分を整えるっ!
といった感じで私が描いた箇所を人によっては、
できるだけ図面のサイズで円弧を描いて、
直線は……どこから引けばいいの?
あ、円弧の軸の部分から?
始点にすべき場所が分からないよ?
わからないから、消しちゃえ!
といった感じで、なかなか描画できない人も多くいました。
(※私はデザイン業を経験しておりまして、図形の組み合わせで地図をillustratorというソフトで描く機会が多かったので、こういった部分に迷いなく描けたようです)
ただのトレース作業と言えば簡単に聞こえますが、CADでは書かれている寸法通り正確に描く必要があるので、どこから描けばいいのか分からなくなることがあります。
実は図面の全て箇所に寸法が書いてあるわけではないので、描く順番をきちんと考えて描かないとダメなんです。
当たり前ですが、図面パターンなんて無限にありますし、テンプレの解答なんてググっても出てきません。
どうしても分からない時は、講師に質問をすれば教えてくれますので、独学でやるよりは遥かに良い環境だと思いました。
ただ、職業訓練を受講する条件は、「無職であること」なんですよね。
たまたま無職の期間で職業訓練を受講できる立場であったとしても、CAD講座が開校されている期間じゃない可能性もあるわけで。
機会があれば職業訓練は無料という意味ではお勧めなのですが、条件が難しいので、誰でも学ぶ機会の得られる在宅スクールという手段も下に紹介しておきます。
CADの資格はあるの?
いくつかありますが、実際にCADソフトを使って受験できるのは「建築CAD検定」しかないようです。
(昔はトレース検定というのもあったのですが、受講者の減少によりなくなりました)
筆者は、建築CAD検定2級(公式サイトはこちら)を持っていますが、こちらを独学で取るのは少し難しいかと思われます。
理由は単純で、建築CAD検定2級は若干の建築知識が必要な為です。
真上から見た平面図に書かれた寸法を頼りに、真横から見た立面図を描かなくという課題があります。
公式テキストにその方法が書かれているのですが、正直これを読んで理解できる人はいないのではないでしょうか?
実際に、職業訓練の講師の方は、立面図の描き方は公式テキストとは全く別の方法を紹介していました。
因みに、ネットで探せば学習用動画は存在するのですが……実は、2022年の検定内容が2021年までに存在しないパターンがいくつか出題されまして。
それに対応している動画は2023年の今現在、見当たりません。
(この記事を書いている今現在、過去問としても出回っていませんしね。確か毎年2月辺りに発売だったはず)
3級は、与えられた図面と全く同じものを描く(トレース)問題なので、CADソフトさえ使えれば独学でも合格しやすいと思います。
申し訳ないのですが、その他のCAD系の検定は未経験ですので、難易度は申し上げることが出来ません。
上記の他に、「CAD利用技術者試験」がCADの資格として有名のようですが、
2級はCADソフトを利用する検定ではないので、これを合格したところでCADソフトを利用しての実力は証明できません……。
1級ならばトレースの出題はありますが、そもそも受験資格が2級を持っている人限定。
この検定をお勧めしているブログは結構多いのですが……何ででしょうね?
確かに1級を持っているならば良さそうではありますが、2級+1級の合計の受験料は約2万5千円もしますし、そもそも初心者の方でそこまで頑張れる人がいるかどうかは疑問です。
建築系には興味がなくても、少なくとも建築CAD検定3級を持っていれば、就職活動する際に「CADソフトというツールは使えるんだなぁ」と相手が分かるので、口先だけの人でないと証明できるという点でお勧めです。
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