【Excel】2つの表の数値の違いを簡単に発見する方法【楽な間違い探し】

2023/04/21

Excel

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PowerPointを習っている最中の生徒から、「仕事先から『2つの表の違いを一目瞭然でわかる方法がある』と言われたんだけど、Excelでそんな機能あるの? 使ってほしいって言われたんだよね」といった質問が飛び出してきました。

あまり知られていない機能なのですが、PowerPointには《比較》という機能がありまして、2つのファイルを比較して相違のある個所をチェックしながら修正する機能が搭載されています。
それと同じ機能がExcelにあったら教えてほしい、というわけです。


「そんな機能は知らないです」

などと即答するのは早いですが、一応、調べてみました。
存在するとしたら、この手の機能は全て《校閲》タブにある筈……と、じっくり見たが、やはり存在していないようだ。

機能としては存在しない。
が、しかし、『存在する』と聞いた人がいる以上、確かに何らかの方法で存在するのだろう。

何となく気になって、詳しく生徒にお話を伺うと、「違っているセルにだけ色がついて分かるようになっていた」との事。


それだけ聞いて納得。
てっきりPowerPointと同じように、差分のチェック項目ウィンドウが出てきて構えるものだと想像していたので、拍子抜けです。

セルに色を付けるだけなら、ほんの少しだけ手を加えれば「あの方法・・・・」で簡単に出来るじゃないか…!

と、いうわけで、今回は2つの表の間違い探しを簡単にする方法をご紹介します。

比較する表を用意する

まずは、比較する表を用意します。
横に並べて置いてもいいですし、新たにシートを作ってもいいです。

記事では分かりやすく、変更前の表と変更後の表を並べてみました。
(実際やるとしたら膨大な表だと思われますので、変更前の表と変更後の表は別のシートに置いておいた方が管理しやすいです)

まぁ、当然と言えば当然ですが、どこが変更されたのが一目瞭然だと思います。
バナナの価格が80から90へと変更されております。

今回はとても小さな表ですから、目で見れば一発でわかります。
けど、もし、これが数百行にもわたる膨大な表だったら、どうでしょうか?

1行ずつ見比べて、違いがどこだか探さねばなりません。
見落としの可能性もありますから、最低でも1回は見直しする必要が出てきてしまうでしょう。


コンピュータを使っているのに、やっている事はアナログです。
とても効率が悪いので、何とかコンピュータにやらせることはできないだろうかと思いますよね?

結論から言いますと、できます。
Excelなら出来ます。

今回はあくまでもわかりやすくする為に小さな表を例に方法を紹介しますが、どんなに表の行数・列数が増えたとしても大丈夫です。

条件付き書式を使う

さて、表が用意できたら、いよいよ2つの表をExcelで比較して違いを見つけさせます。
今回、その手段として使いますのは「条件付き書式」です。

知らない方もいらっしゃるので、一応、軽く説明を入れておきます。

条件付き書式とは…
セルの値や数式に応じて、書式を自動的に反映してくれる素晴らしい機能。
例えば、1列の中での最大値のセルを真っ赤に塗りつぶしたい場合、わざわざ探さなくても勝手にExcelで塗りつぶしてくれることが出来てしまう。
また、その範囲内で数値が変更されて最大値のセルが別のセルになったとしても、自動的に変更後のセルを塗りつぶしてくれ、最大値でなくなったセルは元の色に戻ります。
「書式」とある通り、塗りつぶしの他、文字の色やサイズ等、様々な設定が可能。

さて、この条件付き書式。
実際にお使いの方はどれだけいるでしょうか?

Excel系の検定を受けた事がある方であれば、機能時代は知っているとは思いますが、業務上に使ったことがない人が殆どと思われます。

それもその筈で、MOSであれば、予め用意された条件(指定の値より大きいとか、トップ10とか)の操作しか検定範囲にありませんので、実用的ではありません。

けど、実は、数式さえ正確に記述できれば、この条件式書式はどのような条件であっても設定が出来てしまうんです!

その方法が《ホーム》タブにある《スタイル》グループの《条件付き書式》のボタンをクリックし、下から3番目にある《新しいルール》です。


新しいルールによる条件付き書式を使う

では、実際にやってみましょう。

まずは、変更前もしくは変更後のどちらでもいいので、片方の表全体を選択してください。

そして、《ホーム》タブにある《スタイル》グループの《条件付き書式》のボタンをクリックし、下から3番目にある《新しいルール》を選びます。

すると以下のようなウィンドウが表示されると思います。
(※重要なことなので、もう一度繰り返すことになりますが、必ず表全体を選択してからクリックしてください。
もし、表の中のセル1つしか選択していなかった場合は、表全体を選択してから次の工程へ進んでください。)
出て来たウィンドウの真ん中より少し下に「次の数式を満たす場合に値を書式設定」という一文がありますが、その真下にはユーザーが直接入力できる部分が用意されております。

今回は、こちらを入力していきます。


どの場面でも必ず入力すべき文字は、先頭に「=」を入れることです。

ウィンドウを出して最初に確認した通り、今回入力するのは「数式」なんです。
普通のセルでしたら、数式を入力する場合に入力すべき文字は何かを想像してください。

「=」という文字から数式を入れますよね?

つまり、今回も「次の数式を」と書いてあります通り、数式の始まりである記述の「=」から入力せねばなりません。
(もしかしたら、将来的には「=」の入力の必要はなくなるかもしれませんが、2023年現在の最新バージョンでは必要です)


この点を知らないと、久しぶりに条件付き書式を使おうとした際に「=」の入れ忘れに気付かず悩み続けますので、必ず理由とセットで覚えてください

数式を入力する

さて、いよいよ数式を入力していきます。


ここで一つ注意事項があります。
このウィンドウで入力した数式は、選択した範囲全体に反映されます。

けど、入力できる箇所は1つしかありません。


どういう事かと申しますと、実はこの数式を入力する箇所は、選択した範囲の1番左上のセルの数式を入力することになります

「残りのセルはどこで入力するの?」
と、思うかもしれません。

実は、残りのセルの入力する場所は存在しません。

などと聞くと、一つ一つ、同じように《条件付き書式》を選んで設定しなきゃいけないの?
といった錯覚をしてしまうかもしれませんが、それはNOです。


実は、条件付き書式を選ぶ際に選択した範囲は、入力した数式は左上のセルに適用され、残りのセルは全てオートフィルをされた状態で反映されます

つまり、相対参照、絶対参照、複合参照を完全にマスターしていないと使いこなせないわけです!


……などと脅しましたが、今回は相対参照のみ(セル番地に$マークがつかないやつ)で大丈夫ですので、ご安心ください。


さて、入力する数式に関してですが、

= 変更前の左上のセル番地 <> 変更後の左上のセル番地
と、なります(実際に入力する数式ではないので注意)。

数式の意味としては、
変更前の左上のセルに入力された内容 と
変更後の左上のセルに入力された内容 は、同じではない。
です。

「等しい」「同じ」という意味で使うのは「=」ですよね。
その逆で、「等しくない」「同じではない」という意味で使うのは「<>」という文字です。

今回は、違いのある場合をあぶりだしたいので、後者の不等号を使用します。
実際に入力する数式は、
=B3<>E3
です。
この入力する際、セル番地をクリックして入力すると絶対参照(セル番地の間に$マークが付く)になってしまう為、F4を数回押して解除してあげてください。

この数式を入力した場合、オートフィルをされた状態ですから、一つ左のセルは自動的に「=C3<>F3」に反映されています。
もし、絶対参照のままですと、選択範囲全てのセルは「=$B$3<>$E$3」になってしまうので、必ず相対参照にするようにしてください。

書式を設定する

無事に数式が入力できたら、そのままOKを押したくなりますが、まだ慌てる時間じゃありません。

違いを目視できるための書式を設定しなければなりません。


数式の右下にある「書式」のボタンをクリックしましょう。
すると、「セルの書式設定」というウィンドウが出ますので、お好きな設定をしてあげてください。

個人的なお勧めは、セルの塗りつぶしを目立つ色(黄色)にする事です。
文字色ですと、赤色+太字でも思ったより目立ちませんので、色々と試した結果、塗りつぶすのが最も目立ちました。

ただ、選択範囲内の表が元々ド派手な色で装飾されている場合は他の書式を使ってください。
太い赤枠で囲むとか、兎に角、悪目立ちする感じのを選ぶと良いです。

大丈夫です。
2つの表が全く同じであれば、ここで設定した書式は反映されません。
また、この条件付き書式は後で設定を解除する事も出来ますから、慎重になる必要もありません。


書式を設定したらOKをクリックすると、新しい書式ウィンドウに戻りますので、そのままOKをクリックしてください。

すると、ご覧のように左右の表で同じでない箇所のセルが黄色で塗りつぶされます。
つまり、変更のあった箇所が黄色い色で表示されるわけです。


変更点なんて知る必要がないかと思われる方もいるかもしれませんが、この表を参考に作った別の書類(Word文書とか)がある場合、そちらの数値の変更をする必要があり、データ元のExcelの変更箇所を把握しなければなりません。

変更点をまとめてあるメモ等があれば良いのですが、そんなものを纏めている人は滅多にいませんし、作業者に確認したところで、抜け落ちているかもしれない記憶を頼りに教えられるだけですから、確実とは言えません。

よって、このような確認作業が必要になってしまうわけです。


余談ですが、ためしに「もも」の価格を変更してみると、ももの価格が自動的に黄色い塗りつぶしがされます。
逆に、黄色く塗りつぶされたセルの数値を左右で同じにしてあげると、自動的に塗りつぶしがなしになります。

こういったリアルタイムで変更されるのが、条件付き書式の便利なところです。

条件付き書式の解除の仕方

さて、確認が終わったら、今度は黄色い塗りつぶしが不要となってしまいます。
確認作業の為だけに新たなファイル(Excelでは「ブック」というのが正しいのですが、知らない方も多い為、ここでは「ファイル」と表現します)を作成したのであれば問題ありませんが、通常業務で使うファイル上で比較している場合は、条件付き書式を解除したいと思う方もいるでしょう。


解除方法を存じ上げない方の為に、その方法も合わせてご紹介しておきます。


《ホーム》タブにある《スタイル》グループの《条件付き書式》のボタンをクリックし、1番下にある《ルールの管理》を選びます。

この時、条件付き書式を設定した範囲内のセルを選択していれば問題ないのですが、全く別の箇所を選択していた場合、出てきたウィンドウには何も表示されません。

その場合、《書式ルールの表示》と書かれている箇所の右側をクリックし、「このワークシート」に変更しましょう。
すると、先ほど設定したものが表示されている筈です。
(※この時点で2つ以上のものが表示されていた場合、失敗した箇所を放置して新たにやり直した形跡が残ってしまっています)


この設定したものをクリックし、今度はそのまま少し上の真ん中あたりにある《ルールの削除》をクリックしてください。
そして、そのまま右下のOKの部分をクリックすれば、ウィンドウが閉じます。

すると、比較する為に入力した条件付き書式が綺麗さっぱり消えてしまいます。
勿論、シートを見ると、黄色い塗りつぶしは全て消えます。
(現時点で、まだ条件付き書式の設定したものが残っている場合、全て削除してあげてください)


このようにすれば比較をした後は何もなかったかのように元通りになりますので、条件付き書式のやり方と削除の仕方、ワンセットで使いこなせるようになってください。

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