建築CAD検定に准2級が登場!

2024/09/18

CAD

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驚くべきニュースが入りました。
長年、1級を設けなかった建築CAD検定に新しい級を設けるという特大ニュースが入ってきました!

ようやく1級が…?
と、いうわけではなく、3級と2級の間の難易度である「准2級」の新設です。


准2級の一般受験は2025年4月から開始


公式サイトに書かれております通り、建築CAD検定は「4月・7月・10月・1月」の年4回開催されております。
けれど、残念なことに内半分は団体受験で、一般受験が可能なのは「4月・10月」の年2回です。

准2級は2024年10月から実施になりますが、残念ながら学校等に所属しておらず団体受験が不可能な方は2025年が初めての受験可能日となっております。


3級・2級との違いは?


さて、何故、今更「准2級」などという中途半端な級が新設されたのか?
これは過去に建築CAD検定を受験しようとして、2級と3級のどちらかを受験するか迷った方であれば、わかると思います。

2級と3級は、難易度に大きな幅がある…という点です。

3級が楽勝だからと言って、2級の受験を視野にいれようとすると、(建築知識がない人の場合)独学では挫折します。
設計図の読み方さえわかれば独学でも合格は可能ですが、そちらはCADの知識や操作ではなく、あくまでも建築という分野の学習が必要となります。
これを独学で学ぶとしたら……非常に大変です。
(建築CAD検定に必要な知識が載っているテキストが思い浮かびませんし、私自身、現役の建築士に口頭で教えてもらったお陰で合格できました)

3級の内容


与えられた建築図面(4枚)をCADを使ってトレースをします。
CADソフトが使えるのであれば、それほど苦労せずに合格は可能です。

ただ、図面の一部の数値は記載されていませんので、どこから描画すべきかを考える必要があります。
こちらは過去問等で何度も練習をしていれば、慣れてきますので大丈夫です。

2級の内容


こちらは3級とは違い、描く図面は2枚。

与えられた建築図面(検定ではラフと称されていますが、PCで綺麗に描かれた図面なので、どちらかと言うと簡略した図面に見える)をともに、平面詳細図を描く課題が1つ目の課題。
こちらは比較的簡単な方ではありますが、初心者が躓くポイントは「建具の寸法が一切書いてない」という点です。

例えば、部屋のドアの幅と厚み……わかりますか?
戸や窓の枠の寸法は?
普段、目にしていても、寸法を聞かれて「○センチぐらい?」と答えられる人はあまりいないでしょう。
(なお、建築業界ではセンチではなく、ミリの単位を使うのが普通です)


そして、2級のハードルを大きく上げているのが2つ目の課題。
それは透視図をもとに立面図を描くというものです。
わかりやすく言えば、一方から見た外観をCADで描いてね、という課題です。

このお題は与えられる資料は基本的には「真上から見た設計図」なんですよ。
完成図の見本なんて与えてくれません。
2階分の一軒家を描く関係上、壁の高さ等がわかる「断面図」はありますが、わかりやすいのはそれだけです。

ナニコレ?
どこをどう見たら、真横からの図面が描けるの?
……と、疑問が浮上するのは確実です。

独学では非常に難しく、教えてもらっても理解できない人は一定数います。


准2級の難易度は?


さて、それでは准2級の難易度はどうなっているのでしょうか?
サンプルを確認したところ、完成させる図面は2級と同じ2つの課題となります。

ただし、2級と大きく違う点は建築の知識が0でも合格が可能な点です。
提出課題は2級と同じですが、その内容は建築図面のトレースになりますから、3級が楽勝な方が挑むには丁度よい難易度となっております。

先ほど2級の内容で軽く説明を入れましたが、「建具の寸法」が准2級では全て書かれております。
また、与えられた図面に1カラム455mmの格子状のグリット線が引かれており、ドアの大まかな位置も大体わかるようになっております。

これらをスムーズに描けるようになれば、2級の受験視野になるレベルです。
正直、この建具の寸法をプリントして、2級の検定に持っていけばいいんじゃないかと思うほどです。

立面図に関しては……准2級はトレースなので楽ですが、これを練習しても2級への足掛かりになりそうにないなぁという点では少し残念でもあります。
(少し詳しく述べますと、屋根伏図を見て△屋根の部分を描くあたりは知識がないと無理ですし、准2級が楽勝であっても見につく知識では到底足りないです)

合格するにはどうしたらいい?


どの級を受けるにしても、公式ガイドブックを買うのが最優先事項です。
どういった内容が出題されるかが載っておりますので、これがないと話になりません。
また、この本のいい所は、1冊で全ての級に対応しているという点です。


そして、公式ガイドブックに掲載されているお題を描画しつつ、CADソフトの基本的な使い方を覚えるましょう。

なお、CADソフトに関しては(既に所持している方を除き)無料のJW-CAD(ここをクリックすると配布サイトへ飛びます)をお勧めします。
ソフトは無料ですし、スペックの低いPCでも余裕で動かせるという点が良いですし、何よりも建築CAD検定の会場で用意されているPCの殆どがJW-CADですので……母数の大きいソフトは申込時に困る確率を減らせます。
(受験時の体験談の記事でも書きましたが、検定は早めに申し込まないと定員オーバーします)

正直、検定内容の範囲では、あまり多くの機能を使わなくても大丈夫ですので、最初にCADソフトの使い方を全てマスターする必要はないかな、と思います。
(というか、必要性がない機能に関しては、なかなか覚えられないものですからね)

公式ガイドブックは図面の描き方の解説は丁寧にされているものの、正直「こっちの方が簡単じゃない?」という部分が多々あったりします…。
この手のソフトは人によって手順は違いますし、十人いれば十通りの方法があります。

「どうしても時間内に描けない」とか、「このやり方以外の方法が知りたい」という方は、在宅スクールを利用して学ぶという手段もとれます。



私は職業訓練で教わった派ですが、公式ガイドブックに書かれてない機能を教わることが出来て、「あの機能を使えば、図面のここが早く描けるんじゃない?」と気づくキッカケにもなりました。
完全に独学だと「ひとつの視点」しかありませんから、なかなか効率的な手段が思い浮かびにくいという欠点があるんですよね。
(……いつかブログ記事で様々な描画方法の紹介を書きたいとは思うのですが、なかなか時間がとれずorz)

独学でやるにしろ、スクールで教わるにしろ、課題の内容がトレースである以上、CADソフトをしっかり使うことが出来る方であれば合格するのは難しくないと断言しつつ、今回の記事は終了とさせていただきます。

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